1歩、踏み出す…

待機列には、貼り付けられたメジャーと立ち位置が記してある。

1人ずつ番号が呼ばれ、消毒、スマチケのもぎりは本人が行う。入口で検温、受付でドリンクチケットをカルトン越しに受け取る。その流れのままカウンターでドリンクを指差しで注文、ドリンクを受け取り、指定された列の席に着く。トイレや、2杯目以降のドリンクの注文も挙手してスタッフの指示に従う。

全てが無言で行われ、スタッフも基本ジェスチャー。ライブが始まる前の注意事項のみ、石川さんがお話される。(もちろんフェイスシールドを装着)

 

そうまでして行われたライブ。

何が正解なのかは分からない。行きたくても行くことができない人もいる。無理に観客を入れなくてもという考えもある。でも、スタッフもメンバーも同じ方向を見ているからこそ、今回実現できたのではないかなと思った。

 

いつもなら、ステージから飛び出たような立ち位置の兄ぃが、「この線から出ちゃ行けないんだよー。」と、もどかしそう。「そっち行きてぇなぁ。飛び込んでしまいたい。」と何度も言っていた。

今までだったら、一緒に歌ったりキャーキャー言ったり大笑いしたり、そんな当たり前だったことは、もうこの先、出来ないだろうけど、それを精一杯の拍手に変えて気持ちを伝えてきた。